正月1日から一週間、修正会が行われ、つづく2月8日から13日まで修二会が続いています。そして、その最後の日、結願に「だだおし」法要が行われます。
この「だだおし」の起源は古く、日本に仏教が伝来し最初期にもたらされた悔過作法を軸としています。「だだおし」は東大寺のお松明行事と同じ起源を持つ会式となるのです。
「だだおし」では長谷寺開山徳道上人が冥府に赴き、閻魔大王から除災厄難に絶大な効力を発する閻浮檀金(エンブダコン)の宝印を下賜され、それを牛玉札(ごおうふだ)に押印しています。
法要では堂内で三匹の鬼が出てきた際、僧侶が枝に挟んだ牛玉札を持って鬼を堂外へ追い出します。僧侶が持つ枝は四手(しで)の枝でこの植物の葉は神社などで見かける紙の幣束(へいそく)のようなので神聖視されており、魔を払う効果があるとされます。
だだおし法要でこの牛玉札を購入することができ、その方は本堂の中へご案内、堂内の鬼を払った後、おでこに閻浮檀金の法印を押印いたします。この法印は別名「だんだ印」とも言い、だんだ印を押すことから「だだおし」と名付けられました。
だだおし法要では堂外に追い出された、のたうち回る鬼達が目立ちますが、要となるのはこの閻魔大王に下賜された宝印を押すことなのです。
2月14日のだだおしは大松明を持つ勇壮な行事です。松明の熱を感じ、笑いのある行事となります。ぜひ一度ご覧いただきたいと思います。