6月18日〜9月23日まで、東京国立博物館に於きまして「
奈良大和四寺のみほとけ」展が始まりました。
長谷寺からは本尊十一面観音の脇侍である、難陀龍王像(国指定重要文化財)と赤精童子(国指定重要文化財)、金造十一面観音菩薩立像(国指定重要文化財)の他3体の仏像が出展されます。
両脇侍は本堂安置の像で神仏習合の特徴を色濃く残しており、他にはない珍しい尊像です。実は長谷寺の両脇侍は初代の観音様が造営された当初から三尊形式であることは疑問視されており、鎌倉時代にこの難陀龍王が初めて作られた脇侍であるかもしれないと言う事です。
難陀龍王は正和5年(1316)に慶派と言われている舜慶等により作られました。王朝時代の高官の出で立ちに龍の王である風格を備えた威容は重厚で、その体に龍が絡む造詣は迫力があります。しかし普段は遠くに鎮座されており、そのお姿はよく見えないのですが、この度の展示においては近くで見ていただける事でしょう。
また、室生寺、岡寺、安倍文殊院からも貴重な尊像、資料が一堂に会するまたとない機会ですので是非ご覧いただければと思います。