出展宝物紹介
本年2月6日(土)より3月27日(日)にかけて、大阪のあべのハルカス美術館におきまして「長谷寺の名宝と十一面観音の信仰」展が開かれます。当ホームページでは、展覧会開催に先立ちまして、出展宝物を数回に分けてご紹介させていただきます。
?重要文化財 難陀龍王(なんだりゅうおう)立像
鎌倉時代
難陀龍王立像は、長谷寺のご本尊十一面観世音菩薩の右側(観音様からみて左側)に立つ脇侍様です。古来より龍は嵐や竜巻の象徴として強大な力を持つといわれますが、難陀龍王は数多くの龍を統率する八大龍王の筆頭として仏法を守護する存在です。長谷寺においては、観音様のお立ちになる大磐石(だいばんじゃく)と長谷寺山内を護る善龍王として、また春日大社のご神体である春日大明神としても信仰されています。
そのお姿は、唐風の冠と衣服を身に付けて頭上に龍をいただき、両手には獣の形をした岩を載せた盤を捧げ持っています。またお像の内側に墨書銘があり、正和五年(1316)に大仏師舜慶等によって造立されたことがわかっています。
難陀龍王像が展覧会に出展されるのは、今回が初めてとなります。しばしの間、長谷寺の頼もしい守護神が初瀬の山を離れる事は心寂しい思いが致しますが、皆様にはぜひこの機会にあべのハルカス美術館で立派なお姿をご覧頂き、ご縁を結んで頂ければ幸いです。
あべのハルカス美術館