今年もぼたんが咲いてくれました。例年以上に大きく、そして艶やかに。
「長谷寺のぼたんは屋根で咲く」と、言われていた頃があります、いまから40年ほど前でしょうか。登廊(のぼりろう)脇の両牡丹園にはたくさんのぼたんが植っており、そのぼたんが大きく茎を伸ばし、登廊の屋根に届きそうだったそうです。
昔の写真を見ると今より葉も大きく、植っている地面が見えないほどで、ぼたんの花も大きく確かに屋根に届きそうな程、元気なぼたんが咲いていました。
それがどういうわけか、近年花が小さくなってきており、毎年見ている我々はその徐々とした変化に気づけずにおりました。ある時、長谷寺のメールに、久しぶりに祖母とぼたんの時期にお参りした、祖母が言うにはもっと長谷寺のぼたんは大きかったといい、上述の「長谷寺のぼたんは屋根で咲く」という言葉を教えてくれたと言うのです。
毎年咲いてくれるぼたん、咲いてくれるから当たり前のように今年も「大きく美しい」と錯覚していたようです。手塩にかけられたぼたんの大きさを目の当たりこれではだめだと改善を初めたのが4年前です。ちょうどコロナ禍が始まった頃。
その年は人が集まるような状況を避けるため、花を刈り取り見れないように対応しました。この機会にぼたんの地質改善と養分の補給を促し、来年以降の花の大きさ、見栄えを改善しようと始めました。
ようやく今年、大きな花をつけたぼたん、例年より大きくそして艶やかになった美しいぼたん、屋根までは届かないまでも、地面が見えないほど大きな葉をひろげ、芳しい香りを湛えたぼたんが咲いてくれました。
ただ、咲く時期が早すぎた、、、
気候のせいでしょう、桜も例年より早く開花し、近年稀に見る早い時期にぼたんが満開を迎えました。残念でなりません。鉢植えの牡丹を登廊に配置して、身近にぼたんを楽しんでいただけるようにしております。地植えのぼたんも盛りを過ぎたとはいえまだ咲いてくれているぼたんもありますので、ぜひ見に来て欲しいです。