そんな中、7月20日の奈良新聞の見開き2ページ一面に長谷寺本堂の内舞台にアニメ化された歴史上の人物が座禅をしている画像が掲載されました。これはスマートフォン用ゲームアプリの5周年記念全国キャンペーンの一環だったのですが、内舞台に差し込む光がとても清々しく、鬱々とした世情を照らしてくれるかのようでした。
この内舞台は観音様を礼拝するための場所で、正式には礼堂と呼ばれています。観音様の在します正堂と屋根で繋がり、外舞台を加えて大きな本堂を形成しています。もともと観音様の前で慇懃にお経、ご宝号を唱えながら夢現に夢告を得るための場所でした。
今は法要に参列される方をお通ししています。ご本尊に祈りを捧げる場所ですから、毎日の作務(掃除)では浄巾を使い清めています。
毎朝の勤行でもこの場所にご案内しております。長谷寺の”祈り”の中心地である内舞台で、僧侶の力強い読経の声、大きな観音様を感じ、清々しい朝を迎えてください。また、勤行が終われば僧侶が列を成して皆様に「おはようございます」と大きな声で朝のご挨拶しますので、皆さんは負けじと声を張り上げ大きな声で返してください。
創建より続く朝の勤行、朝霧に霞み記紀万葉に詠われた山々、観音様の衆生を”救う”という深い誓願に喩えられる谷川、太古より勝地として神仏が住う場所にある長谷寺での朝のひと時は、きっと特別なものとなるでしょう。